アメリカンなモノたちに囲まれていたい欲望
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高校生の頃、友人が駅の売店で買った一冊の雑誌が、のちの人生を大きく変えることになった。その雑誌は「POPEYE」Magazine for City Boysというキャッチコピーを掲げた、都会感に満ちたスタイルのアイコンだ。
ある日、友人と出かけた帰り道の駅の売店で、彼がふと買ったPOPEYEを読み終わったあと、何気なく「あげる」と渡してくれた。その時のことは今でも鮮明に覚えている。
当時の自分は田舎の高校生で、アメリカの文化やライフスタイルに触れる術はTVの中でしかなかった。だからこそ、その雑誌の中にあふれていたアメリカという空気は、また別の新しい世界への扉のように感じられた。
雑誌を開いた瞬間、ページの向こう側に広がっていたのは、それまでの人生で味わったことのないものだった。ファッション、音楽、スケートボード、サーフカルチャー。そして、アメリカの雑貨や小物たち。そのどれもが今までの自分の世界には存在しなかった景色だった。
特に衝撃だったのは雑貨や小物たちの存在だ。ファッションや音楽はもちろん魅力的だったが、それ以上に自分の部屋にも置けるような小さな雑貨たちが、信じられないほど鮮やかに目に映った。
POPEYEの中で今でも好きなのは1982年2月10日号「毎日がアメリカ見本市」だ。表紙には、まるで小さなアメリカを箱に詰め込んだような仕切りの中に無数のアイテムがぎっしり並んだディスプレイ。キーホルダー、ブックマッチ、ダラスカウボーイズの缶バッジ、ヴィンテージ風のピン、アメリカンフラッグのモチーフ、どれもこれもアメリカ文化の香りが詰まっていた。

ページを開けば、さらに夢のような世界が続く。雑誌に掲載された小物の多くは、編集部が直接アメリカで買い付けたというもの。価格はドル表示。高校生の自分には、それが「アメリカの空気を直に吸ってきた証拠」のように思えて仕方がなかった。
そしてもうひとつ、1981年12月10日号「クリスマスにはコレおくれ」だ。大きなギフトボックスの表紙から始まり、ページをめくるたびに現れるカラフルな雑貨たちが飛び込んできて、アメリカのクリスマスの空気を想像するだけで胸が浮き立った。


▲当時の自分にとってワクワクする商品がここぞとばかりにあふれ出る誌面

▲商品の小さな写真をずっと見ながら、これもあれも欲しい!と悶絶する毎日だった
当時の自分の部屋は、おもしろくもないごくありふれた空間だった。しかし、ひとつ雑貨を置くだけで部屋の空気が変わる気がした。
例えばポパイで見たようなステッカーを壁に貼る、輸入雑貨店で見つけた小さな小物を机に置く、ただそれだけで自分の部屋が少し「アメリカに近づいた」ように感じるのだ。
もちろん買えるものには限界がある。アルバイト代と少しのお小遣いではドル表示の商品を買うことなど到底できなかった。だからこそ日本で見つけた雑貨ひとつ買う時の喜びは大きかったし、買えない物への憧れはさらに膨らんでいった。
あれから40年以上。社会人になり、仕事をし、多くの時間を経た今でもアメリカン雑貨への情熱はまったく色あせていない。むしろ大人になったことで、当時は手が届かなかったものにも手を伸ばせるようになり、楽しみ方がより深くなった気さえしている。特にアンティーク雑貨には時間の積み重ねが宿っている。色あせた看板、日焼けした木箱、ヤレ感のあるブリキの雑貨。それらに触れるたびにアメリカを象徴する陽射しや空気、無骨さや遊び心が手に取れるような気がする。

▲好きなものだけに囲まれて過ごす。夢を叶えよう
ガレージは「クルマを置く場所」ではなく、「自分の世界を作り込む空間」だと思っている。工具を並べ、趣味の小物を飾り、好きな音楽を流し、コーヒーを片手に過ごす時間。その空間を満たすアイテムが、アメリカンなモノたちならどうだろう。きっとそこは過去の憧れと現在の自分が重なる、「もうひとつの人生の部屋」になる。
そこに置く雑貨は単なる装飾品ではなく物語そのものだ。だからこそGarage Outfitters という存在は、あの頃の自分にとってのポパイと同じように、ワクワクの扉を開けてくれる場所だと思っている。アメリカ好きも、ガレージ好きも、ちょっと通な人も、きっと心が動くセレクトが揃っている。
もし、あなたの中にもあの頃の自分のように「アメリカン雑貨に囲まれた部屋にしたい」「ガレージをもっと自分の世界にしたい」という思いが少しでもあるなら、その最初の一歩は、いつだって小さな雑貨から始まる。
ぜひあなたのガレージにも、あのPOPEYEという雑誌を初めて見た時のようなワクワクを迎え入れてほしい。そのための相棒として、Garage Outfitters はきっと力になってくれるはずだ。
by おじさん64年式